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祇園祭の後祭が約50年ぶりに復活ということなので


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150年の時を経て『大船鉾』が復活

夏というのは暑いものです。暑いとなにもする気が起きないのが人情というもの。こんなときはうだるような暑さに身を任せぐったりとしているに限ります。

そんな私の耳にいけない話が飛び込んできました。

 祇園祭後祭ってのが50年ぶりに復活するんだって~
私:へえ
 しかも大船鉾ってのが150年ぶりに復活だって、蛤御門の変のときに燃えちゃったのを再建したんだってよ
私:ほほう…。よし 京都、行こう!
 えー!ちょっと待ってよ、スケジュールだってあるんだから~
私:そうだ 京都、行こう
 あーも~、余計なこと言った私が馬鹿でした。行くよ行くよ
私:そうだ 京都、行こう
 …

というわけで、とるものもとりあえず遠路はるばる京都に行ってまいりました。その様子をお伝えしたいと思います。

宵山を巡る

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「前祭」・「後祭」復活!2014年度の山鉾巡行について|祇園祭より

後祭の宵山は夜店などが出ずしっとりとした雰囲気で行われます。上のマップの赤いポイントの位置にそれぞれの山鉾が位置しており、夕暮れ時からそぞろ歩きを楽しむというわけです。私たちのプランはまず新町通を南下し、大船鉾まで見終わったら一本西側の室町通を北上するというものです。
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新町通に入ると向こうの方に『八幡山』が見えました。細い道いっぱいに山鉾が置かれている光景はなかなか異様で「ハレ」の日の非日常感を感じさせてくれます。
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次に見えてきたのが「北観音山」。山鉾の上にそびえ立つ木がすごい。
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続いて「南観音山」。提灯が赤ベースです。こういうちょっとした違いが面白い。
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パーツ萌え。
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そしていよいよ今回の主役、「大船鉾」です。ここまではそんなに人混みもなかったのですが、この周辺からとたんにアップルの新製品でも販売されるかのような人だかりができていました。ポリスメンも出て、いかにも京都のビッグイベントといった風情です。
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「大船鉾」の人だかりで少々気力を消耗してしまったので、いったんカフェに避難し英気を養ってから、室町通を北上開始。
すっかり暗くなってしまいましたが、提灯はやはり闇の中に浮かんでいる姿が美しい。

まずは「鯉山」。
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次に「黒主山」。「黒」の字体がかっこいい。
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ラストに「役行者山」。ここでは小学生くらいの女の子たちが並んで「役行者山」にちなんだ品を販売していました。夜の京都に響く少女たちの声が素晴らしく祇園祭しておりました。
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これでひとまず「宵山」はおしまい。いよいよ残すは山鉾巡行ですよ!

山鉾巡行

山鉾巡行ではそれぞれの山鉾が御池通に集まり、グイグイっと右回転してから巡行を開始します。山鉾はとても大きく重いものなのでこの回転は豪壮で一番の見所と言ってもよいでしょう。

新町通から「北観音山」が姿を現しました。屋根の上に4名の方が乗っております。けっこう揺れて怖そう…。
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グイグイっと右回転!
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観察していたところこの右回転は三回に分けて引かれるようです。時間をかけてゆっくりと角度を変えていくさまに儀式としての重みを感じちゃいます。コンチキチンという音をかき消すほどの蝉の鳴き声が一層雰囲気を盛り上げます。

大トリの「大船鉾」が登場です。宵山ではその全貌を確認することができなかった「大船鉾」ですが、朝の光のなかで見るとキラキラとまばゆい光を照り返し神々しくもかわいらしいお姿でした。
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まとめ

今回は思い立っていきなり飛び出した祇園祭の後祭でしたが、じつに素晴らしい体験をさせていただきました。なんといっても平日の朝からこのような行事が行われているというところがいいじゃないですか。周囲の光景はビジネスビルなんかも多くて普通なんですが、ハレとケがビシッと分かれた時間の区分に千年以上続いたのは伊達じゃないねと改めて感心しちゃった祇園祭でした~。