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photo by Proper Criminals


アベノミクスで景気は好転しつつあるというような話も聞きますが、生活の中で実感できるのはまだまだ先のようです(実感できる頃まで施策が成功していればの話ですが)。もはやこれからは(これまでもですが)政府が何とかしてくれるのを待ってる時代ではありません。自分の身は自分で守る。結局はこれが太古から変わらぬ生物としてのさだめのようです。とはいえ、お仕事の状況もなかなか厳しいようであり、また働き方も多様化しており、ワークシェアリングなんかも少しずつ増えてきているようです。仕事が減っちゃったから「自分の時間を大切に」という理由付けをするのか、「自分の時間を大切にしたい」からワークシェアリングで最低限の仕事だけをするのかという疑問もあったりしますがまあ今回はそういったことはおいといて「内職」に注目したいと思っております。内職といえば時代劇でお侍が傘を作っているのが定番ですが、実際のところ現代の内職事情ってどうなってるんでしょう?

「家内労働法」の存在

調べてみたところ内職は正式には「家内労働」という名で呼ばれるようです。またそのために「家内労働法」という法律も定められており、その概要は以下のようになっております。

  1. 委託者は家内労働者に「家内労働手帳」なるものを交付しなければならない。
  2. 工賃は原則現金払い、全額払い。
  3. 地域ごとに最低工賃が定められている。

I 家内労働法の概要|厚生労働省より


そのほかにもいくつかあるのですが、委託を受ける側として知っておきたいのはこれくらいでしょうか。

なかでも3番の「最低工賃が定められている」というのはしっかりとチェックしておきたいところです。私の勝手なイメージですが、内職というと口約束で適当にこれくらいでお願いね~なんていう感じなのかなと思っていたのですが、そういうわけにはいかないようですね。ちなみに東京都の場合は紳士靴の「甲革の縁すき及び縁折り込み又はテープ取り、かかと部の縫いまとめ、裏張り並びに縁ミシン掛け」1足で596円だそうです。靴の加工となると素人には出来そうもありませんが、なかなか悪くない金額のような気もします。また、これより低い金額で契約をした場合でも委託者は最低工賃を保証せねばならず、違反した場合には委託者は2万円以下の罰金になるそうです。そのほかにも作業内容ごとに細かく最低工賃が設定されていますのでご興味のある方はこちらでご確認ください。
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/common/files/siryo/panfu/panfu29/pdf/min.pdf

内職の現状

で、実際のところの現状なんですが、厚生労働省の平成23年10月の調査*1を引用させていただきます。

まずは年齢別構成比

家内労働者の平均年齢は56.8歳で、これを男女別に見ると、男性が64.0歳、女性が56.0歳となっています。
年齢階級別に家内労働者の構成比をみると、第1図の通り、「60~70歳未満」が最も多く31.8%、次いで「50~60歳未満」が18.6%、「40~50歳未満」が18.2%と、これら3つの階級で全体の約7割を占めています。

ふむふむ。若いママさんが子供が小さくて外に出られないから内職、というイメージもあったのですが、その割合はあまり多くないようです。

次に就労時間

専業は1日7.9時間、就業日数は1か月21.8日であるのに対し、内職は1日5.3時間、就業日数は1か月18.3日、副業は1日3.9時間、就業日数は1か月17.7日と、いずれも短くなっています。

なるほど。専業の方は1日約8時間ですから普通の仕事と変わりませんね。ここで、「専業」「内職」「副業」ってなに?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は家内労働には上記のように3種の分類があり、これについては「「専業的家内労働者」 とは, 「男子世帯主が, 自ら家内労働に従事し, これによって一家の生計を支えているもの」 であり, 「内職的家内労働者」とは, 「主婦や老人など世帯主以外の家族が, 世帯の本業とは別に, 家計補助のため, 家事のあいまに家内労働に従事するもの」 であり, 「副業的家内労働者」とは, 「他に本業を有する世帯主が, 本業のあいまに,単独で, またはその家族とともに家内労働に従事するもの」 である)。 この分類は, 現在も労働行政の実務において用いられているものであるが, 「内職」 という用語が, 世帯主以外の者, とくに主婦が行う家計補助的就労というイメージをもつことがうかがえよう。 そして,家内労働者の大半が内職的家内労働者であり), 内職は, 家内労働とほぼ同義と捉えてもよいことがわかる。」*2ということになっています。「専業」の方は職場が自宅であるというだけで、一般的に言う内職とは異なると考えてよいでしょう。つまり内職らしい内職の方は一日あたり5時間ほどの労働をしてらっしゃるようですね。パートくらいの労働時間といったところでしょうか。

で、気になる賃金ですが

家内労働者の1時間当たりの平均工賃額(必要経費を除く。)は500円で、これを男女別にみると、男性が714円、女性が478円となっています。
これを類型別にみると、専業が769円、内職が480円、副業が673円となっています。

次に、1か月当たりの平均工賃額(必要経費を除く。)は4万2,726円で、これを男女別にみると、男性が8万4,030円、女性が3万8,369円となっています。
これを類型別にみると、専業が13万3,009円、内職が3万8,392円、副業が3万804円となっています。

こちらも上述のように「内職」に絞って見ますと時給にして480円。う~ん、そう考えるとなかなか厳しいですね。

ところで内職の求人ってどうやって見つけるの?

現状は分かったけど結局内職ってどこで募集してるの?ってことなんですが、これは基本的にハローワークでは取り扱っていないようです。ネットなどでよく内職の求人も出ていますが内職詐欺の話なんかも聞くしちょっと心配ですよね。そこで私が知る限りでは役所の内職相談窓口がいいのではないかと思います。私も初めて聞いたときはえっそんなのあるの?っておもいましたが、あるんです。検索バーに「内職相談 ○○(希望の地域)」と入力して検索してみてください。参考までに東京各区の相談窓口のファイルをつけておきますね。
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/koyo/shigoto-n/kanai6.pdf


今週のお題「お引っ越し」ということで、これから引越しが控えていて新しいパートでも探さなきゃな~と思っている方は引っ越し先の地域の内職窓口をチェックしておくのもいいかもしれませんね。役所のホームページで求人情報を見れるところもありますので、いちどご覧になってみてください。
あなたの内職ライフに幸あれ。

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