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名前のチカラ。現代伝承が『都市伝説』と呼ばれた日


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photo by Flооd


かちゃかちゃ…休憩時間にネットサーフィンをする同僚。なに調べてんのって聞いたら「都市伝説」っていわれました。都市伝説…、なんでって聞いたら「あれ?なんでだろ、なんとなく」と言ったので、私たちは顔を見合わせて笑いました。昼休みになんとなく都市伝説について調べる…あなたのまわりにもそんな人はいませんか。もしかしてそれがもうすでに都市伝説の始まりかもしれませんよ。

『都市伝説』は日本で作られた言葉?

この言葉、いかにも日本特有のにおいがしませんか。でも意外なことに都市伝説という言葉の始まりは英語に由来します。

「都市伝説」という言葉が、日本に登場したのは1988年のジャン・ハロルド・ブルンヴァンの著書『消えるヒッチハイカー』が大月隆寛、重信幸彦ら民俗学者によって訳された、アーバン・レジェンド(Urban Legend)という造語の訳語としての「都市伝説」が最初である。
都市伝説 - Wikipediaより

都市伝説に類する概念はそれ以前からあったようですが、ブルンヴァン氏が「都市伝説」という名称をつけたことでその存在が確定されたといったところでしょうか。名前の力ですね。やはり名前が決まっていないことには話が発展しにくいというもの。「こんな都市伝説聞いたことある?」といえばなんだかそれなりの話が始まりそうですが「ほら、なんか怪談っていうわけではないんだけどなんとなくこの街に流れてる噂話的なやつでこれっていつの時代からこの街で噂になってるんだろみたいなやつあるんだけど聞いたことある?」とかいわれたら、なげーよ!としか思えませんもんね。やっぱり、名前って大事です。
また、ブルンヴァン氏はその著書『消えるヒッチハイカー』で都市伝説について興味深いことを記述しています。

伝播に重要な要素として、それが真実として語られる、というものがある。ジャン・ハロルド・ブルンヴァンによれば、「『これは本当のことだ』として語られるのは、伝説が形成される代表的な回路」 であり、「この事実は古くからの民話であろうと、都市伝説であろうと変わらない」。都市伝説は、「古くからの民話と同じように、大真面目に語られ、口から口へと広がっていく」。伝説とは、ブルンヴァン曰く、口承の歴史(Folk History)、すなわち擬似的な歴史である。
都市伝説 - Wikipediaより

噛み砕いて言っちゃうと壮大な噂話という風情ですね。小さな町やコミュニティレベルの歴史なんかはどれも口承で歴史を形作ってきた部分が多いのでしょうから、それは「擬似的な歴史」ということになっちゃうんでしょうね。でも逆にいえばこの街には伝説があるというふうにもいえるわけです。「擬似的」が悪いわけではありませんが、「伝説」っていうほうがなんかロマンチックでカッコいいので、これからそういうようにしてみようかな。「我々のチームには伝説がある」とか「この壷には伝説がある」とか「駅前のマックには伝説がある」とかね。ほら、とたんに街が鮮やかな色彩を帯びてきたでしょう?

アメリカでヒッチハイク…物語の予感((((;゚Д゚))))ガクブル

▼今日のひまつぶし

日本と世界の都市伝説の共通点とは?

【菅田将暉】これで「すだまさき」って読むんだね

【ムネリン】日本人でこういう売れ方する人ってレアだよね


今週のお題「名前をつける」