とてもステキなそのブランドは“ティファニー”ではなく“Tiffany & Co.”と書きたい
最近ティファニーのジュエリーがちょっとした話題になっているという話を聞いたのでその歴史について記したいと思います。ティファニーといえばアメリカを代表するプレミアムジュエラーのひとつであり、その誇り高いマネジメントスタイルはドナルド・トランプ氏の伝記にも名前が挙がっていたことが印象に残っています。押しが強いことで名高いトランプ氏がティファニーのマネジャーの存在感に気圧されるエピソードにはシビレます。カッコイイです。ティファニー。
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『オープンハート』の歴史
『オープンハート』といえば誰もがご存知のティファニーの定番中の定番ですよね。日本でもあちこちで『オープンハート』を身に付けた女性が見られたほど流行した時代もあったようです。とはいえこれは一過性のファッションではなく、長く愛される定番商品としてティファニーのラインナップに今も並んでいます。
『エルサ・ペレッティ』というデザイナー
Elsa Peretti | The Tiffany Story | Tiffany & Co.より
この『オープンハート』シリーズですが、ジュエリーデザイナーの『エルサ・ペレッティ』が彫刻家である『ヘンリー・ムーア』の作品にインスパイアされデザインしたものです。『エルサ・ペレッティ』は当時プラチナや金が中心だったジュエリーにシルバーを多く取り入れ、その後のシルバージュエリーのムーブメントを作り出した方としても知られています。上の画像をご覧頂いてもお分かりのとおり、ご本人もモデルさんみたいにカッコいい女の人です。
『ヘンリー・ムーア』という彫刻家
Photograph © Andrew Dunn, 9 September 2004.
Website: http://www.andrewdunnphoto.com/
上の画像はケンブリッジのフィッツウィリアム美術館に設置されている『横たわる像』で構造に空洞を含んでいるのがその特徴となっています。空洞部分が実体部分のヴォリューム感を強調し、グラマラスな女性の体を連想させます。なるほどたしかにティファニーの『オープンハート』も単なるハートとは異なり、空洞を持たせることでこぼれるような“たっぷり感”と、それでいて重過ぎない軽快さを絶妙に実現している秀逸なデザインといえるでしょう。両者とも、その抽象的なフォルムは人間の根本的なイメージに直接訴えかける力で満ちているかのようです。
『Tiffany & Co.』そのプライド
最後に、ティファニーのプレミアムジュエラーとしてのプライドを表すエピソードをご紹介させていただきます。
「ティファニーには、どんなにお金を出されても決して売らないものが1つある。…ただし顧客が商品を買うと無償で提供される。それは、ティファニーの名が冠された箱である。責任を持って製造された製品が中に納められていない限り、その箱をお店から持ち出してはならないという創設以来の厳しいルールが、貫かれているからなのだ。」
ティファニー - Wikipediaより
マジでかっこよくないすか?
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